不良債権処理 bad-debt disposal 2005 3 5
不良債権処理に関して思うことは、こういうことです。
ダイエーなどの「大口の不良債権処理」を後回しにした結果、どうなったか。
不良債権処理の加速は、中小企業に向かうことになったのです。
これで、日本経済は、大きく毀損(きそん)しました。
もう二度と、欧米から、日本脅威論は起きないでしょう。
日本企業というと、大企業を連想するでしょうが、
おそらく、日本企業の99%は、中小企業でしょう。
しかし、いつまでも過去の失敗を嘆いていても仕方ないかもしれません。
こうなったら、新興市場の企業を、大企業に育てていくしかないでしょう。
世界的に有名な大企業も、かつては新興企業だったのです。
不良債権処理 bad-debt disposal 2004 12 24
不良債権処理は、現在、最終段階にあると言われます。
しかし、この不良債権処理の手順に、誤りがあったために、
国民生活に重大な影響が及んだと言えるでしょう。
大口の不良債権である、
「ゼネコン、流通、不動産」の不良債権処理を後回しにした結果、
どうなったのか。
結局、不良債権処理の加速は、中小企業に向かうことになったのです。
そして、中小企業に対する不良債権処理の加速どころか、
中小企業に対する「貸し渋り、貸しはがし」まで起きてしまいました。
これが、日本経済を萎縮させたのです。
「ゼネコン、流通、不動産」の不良債権処理は、国民生活に重大な影響が出ると言って、
こうしたものを後回しにした結果、中小企業に対して厳しい不良債権処理となり、
これが、結果的に、国民生活に重大な影響が及ぶことになったのです。
日本企業というと、大企業を連想するでしょうが、
実は、日本企業の大部分は、中小企業です。
大企業は、日本企業の数パーセントしかありません。
こうした不幸な結果は、「政府の失敗」と言えるでしょう。
原則は、大口の不良債権である「ゼネコン、流通、不動産」の
不良債権処理を先行させるべきだったのです。
しかし、こうした産業には、政官業の癒着がありましたので、
ズルズルと、後回しになってきたのです。
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明暗 light and shade 2005 2
8
知人から、このようなことを、よく聞かれます。
「この20年間で、何が起きたのか。」
「1980年代は、日本経済は、絶好調で、
世界中の富を買い占めるぐらいの実力があった。
都市銀行は、世界ランキングの上位を独占していた。」
「1990年代は、日本経済は、不況や不景気に悩まされ、
世界経済における日本の地位が、大きく低下してしまった。
都市銀行は、合併しないと生き残れない状態まで、弱体化した。」
これに対する私の答えは、
「多くの者が、経済というものを知らなかった。
そして、日本経済の仕組みも知らなかった。」と答えています。
だから、1990年代において、日本は、「官製不況」になってしまったのです。
多くの国が、これを教訓としてほしいと思います。
(下にも記事があります。スクロールしてください。)
衆愚政治 mobocracy 2004
8
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人気取りの政策は、必ず失敗します。
たとえば、2004年8月19日の日本経済新聞には、このような記事があります。
「新宿の西富久の土地には、旧日本債券信用銀行など複数の銀行が、
総額数百億円の融資をつぎ込んでいた。
ところが、旧大蔵省が、不動産向け融資を抑制させる『総量規制』を導入。
資産デフレの中で、融資の担保になっていた土地は、
1平方メートル約200万円から55万円に急落。
担保割れで、融資は不良債権化し、
地上げ途中の土地は、そのまま塩漬けになった。
土地神話を背景に膨らんだ不動産担保融資は、
地価下落で、巨額の不良債権に姿を変えた。
銀行は、公的資金注入を受け、
金融再編を繰り返しながら、その処理に10年の歳月を要した。」
当時は、多くの人が、不動産価格の高騰を、一方的に悪者にして、
これを退治するということで、人気取りをしていたのです。
しかし、こうした人気取りの政策は、必ず失敗します。
これは、大衆迎合が度を過ぎると、どうなるかという失敗例でしょう。
このケースは、衆愚政治の一例として、記憶に残るでしょう。
資本主義国において、株式市場は、エンジンであり、富の源泉でもあります。
しかし、日本においては、もうひとつエンジンがありました。
それは、不動産価格です。
実は、これが、本当の「日本の富の源泉」だったのです。
実質的には、株式市場は影の存在であり、本体は不動産価格だったのです。
そういうわけで、日本においては、ある意味で、
不動産価格は、株価の役割を果たしていたのです。
たとえば、アメリカにおいて、株価を下げる政策を実施したら、どうなるでしょうか。
おそらく、アメリカ経済は、大混乱となってしまうでしょう。
しかし、日本においては、そういう政策をやってしまったのです。
不動産融資の総量規制、金利の急激な引き上げ。
こういう政策を実施すれば、不動産価格が急落しますので、
当時の世論からすれば、人気取りとなったでしょう。
しかし、日本経済は、大きく失速しました。
確かに、バブル経済の時は、多くの問題が発生しました。
しかし、日本の富を使って、世界を救えたのです。
アジアの発展、中東の復興、アフリカの救済に貢献できたのです。
今、こうした救済をできる国は、一つもないでしょう。
残念なことですが、世界経済は、迷走を続けるかもしれません。
後の祭りですが、日本のバブル経済という繁栄が、世界を救うために使えたのです。